息を殺して

彼女は息を殺した。彼の隣で。息の仕方を忘れた彼女だったが、呼吸は続いていた。彼女は己の名を涙とともに呼んでいた。幾度も、幾度も。

 

世界から身を隠した。

世界は身を隠した。